知恵の輪今週の食/土地による味の違い

味の違いの代表的なものはラーメンです。

今週は東京、大阪のラーメンです。

まずは東京のラーメン。
東京ラーメンの麺は細いものが使われます。あっさりとしてしょうゆ味が主流なので、このあっさり味が口の中でふわっと広がることが条件となります。そこで必要なのが細めの麺。スープのあっさりを味わうには麺も控えめがベストというわけです。逆に札幌ラーメンに見られるようなこってりスープにはコシのある太めの麺が使われます。細い麺ではスープの重みに耐えられないのです。

次は大阪のラーメン。
とにかくボリューム満点。チャーシュー厚切り、モヤシ大盛り、刻み青ネギたっぷり…。スープは、基本的にしょうゆ味ながら、材料はトンコツ、トリガラの二大ベースにニンニクやラードを加えてコク満点。大阪ラーメンはこってり、具盛りだくさんのスタミナ系ラーメンです。しかも、多くの店ではキムチ、ニラ、ニンニクの薬味が食べ放題で用意されているから豪快そのもの。麺は店によって偏りはあるものの、ストレート麺が主流。これはうどん文化圏だからかな。

元々、日本のラーメン屋の元祖は、明治43年に東京の浅草に誕生した「来々軒」です。来々軒はラーメン、ワンタン、シュウマイの3つを売りにスタート。現在でいえば500円ほどで一杯の本場ラーメンが食べられたのだから、当時としても大人気。庶民にはまだ中国料理が珍しかっただけにこの店は新鮮だったのです。来々軒を始めた人物の名前は尾崎貫一。明治維新後、横浜税関に勤めていた役人でした。来々軒のラーメンはしょうゆ味。チャーシューとシナチク、刻みネギだけをのせたシンプルなものだったと言われています。この来々軒、現在では存在しません。ちょっと残念ですね。

ラーメンは当時、「支那ソバ」と呼ばれていました。これは、長崎や神戸、横浜などの貿易港の近くにあった南京町に住む支那(中国)の人たちが食べている麺ということで「支那ソバ」と呼ばれていたのです。来々軒のメニューにものっていたこの「支那ソバ」は、戦後まで使われていました。「うどん」ではなくて「ソバ」と呼んだのは、おそらく麺の細さが「ソバ」に近かったためと、東京ではうどんよりソバのほうが一般的だったためでしょう。




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19980306